2021-01-01から1年間の記事一覧

2312、そがひ13

2312、そがひ134207 廿二日贈判官久米朝臣廣縄霍公鳥怨恨歌一首并短歌ここにして そがひに見ゆる 我が背子が 垣内の谷に 明けされば 榛のさ枝に 夕されば 藤の繁みに はろはろに 鳴く霍公鳥 我が宿の 植木橘 花に散る 時をまだしみ 來鳴かなく そこは恨み…

2311、そがひ12

2311、そがひ1217-4011 思放逸鷹夢見感悦作歌一首并短歌…三島野を そがひに見つつ 二上の 山飛び越えて 雲隠り 翔り去にきと…(十七・四〇一一)順序からすると立山がさきだが、都合により、こっちを先にする。これなどは「~を そがひに 見つつ」の型なの…

2310、そがひ11

2310、そがひ1120-4472 八日讃岐守安宿王等集於出雲掾安宿奈杼麻呂之家宴歌二首大君の命畏み於保の浦をそがひに見つつ都へ上る 右掾安宿奈杼麻呂出雲国府は現在の松江駅の南東約6キロ、意宇川左岸の平坦地にあり、北北東んお大橋川が中海に注ぐところまで…

東京、長野、近畿の人口

2021年11月東京都、1401,9665人、8924人減、世帯数5281減。長野県、201,9521人、851人減、世帯数105増。大阪府、880,9457人、2660人減、世帯数88増。京都府、255,9888人、1470人減、世帯数446減。兵庫県、543,4719人、2023人減、世帯数107減。滋賀県、140,92…

2309、そがひ10

2309、そがひ10460 七年乙亥大伴坂上郎女悲嘆尼理願死去作歌一首并短歌栲づのの 新羅の国ゆ 人言を よしと聞かして 問ひ放くる 親族兄弟 なき国に 渡り來まして 大君の 敷きます国に うち日さす 都しみみに 里家は さはにあれども いかさまに 思ひけめかも…

2308、そがひ9

2308、そがひ9次は、同じ兵庫県内の武庫の浦を漕ぎ廻る小舟粟島をそがひに見つつ羨しき小舟(3-358)一連の赤人の歌の二首目、357の縄の浦の歌の次である。これは二三四五の四句が、みな明解を得ず(結局全部分からないのと同じ)、やっかいな歌で、それに…

2307、そがひ8

2307、そがひ8地図で確認、その1雑賀野ゆそがひに見ゆる沖つ島離宮があった雑賀野を権現山の東方とすると、いわゆる玉津島の北端の船頭山まで、せいぜい300メートルしかない(渚からなら100メートルもあるかないかだろう)。最南の妹背山までなら直線で120…

東京、長野、近畿の人口

2021年10月東京都、1402,8589人、9283人減。長野県、202,0372人、840人減、世帯数は21減。大阪府、881,2117人、3259人減、世帯数は305減兵庫県、543,6742人、2979人減、世帯数は956減京都府、256,3192人、1936人減、世帯数866減。滋賀県、140,9157人、308人…

2306、そがひ7

2306、そがひ7補注、「「葦垣の思ひ亂れて」」、賀古明、万葉第27号、1958.4山菅の場合、禾本科植物の例として、穂先が乱れる、その姿を比喩に取ったものとする説を紹介している(論文の結論は、枕詞「葦垣の」等を恋情発想の表現契機語とみる)。つまり、…

2305、そがひ6

2305、そがひ6万葉和歌の浦改訂版、村瀬憲夫、求龍堂、1993,10 第三章 和歌の浦・玉津島の歌これは廣岡氏のより数か月遅いだけで、ほとんど同じ時期の出版である。そこでは、廣岡氏の言うような、雑賀野主語説や、その讃歌性は一言も触れておられず完全に無視…

2304、そがひ5

2304、そがひ5「そがひ」の語義を專論とするものは案外少なく、12の用例に、赤人、家持、池主、大伴坂上郎女、東歌などの興味を引く作品が多いので、それぞれを論じる時に、言及する形態のも多い。それぞれに力点を置くために、その作品の「そがひ」の意味…

2303、そがひ4

2303、そがひ4吉井氏より2年後。紀要に載った程度のもので、ほとんど知られていないと思うが、西宮氏は国語学関係で知られた人だから、語意を見るのに参考になろう。 上代語コトムケ・ソガヒニ攷、西宮一民、皇学館大学紀要・第三十輯、1992.1.1まず最新の…

2302、そがひ3

2302、そがひ3次に移る前に、小野氏のまとめられた年代順配列を引用しておきたい。 文武朝 五〇九 背に見つつ (丹比笠麻呂) 三五八 背に見つつ (山部赤人) 元正~聖武朝 三五七 背向に見ゆる 〈山部赤人) 神亀元年 九一七 背匕に見ゆる (山部赤人) …

2301、そがひ2

2301、そがひ2小野寛『大伴家持研究』笠間叢書145、1980,3,31、「そがひに」考(初出『論集上代文学』第九冊1979,4)この方のも印象に残る。しかも山崎氏の9年後だ。池主の「そがひ」をまず考察している。そこに、土屋私注は、 ソカヒは正面でないことであ…

2300、「そがひ」考

2300、さしあたって、すぐに調べたいものはない。取り敢えず、古く何度か調べたものの中で、なにか新しく考えが出そうなものから一つふり返ってみたい。もういちど徹底的に調べる気もないし、なにもでないかも知れない。その時は消してしまう。 【原文】 山…

東京、長野、近畿の人口

2021年9月東京都、1403,7872人、5367人減、世帯数2403減。長野県、202,1212人、887人減、世帯数58増。大阪府、881,5376人、3310人減、世帯数9減京都府、256,5128人、1513人減、世帯数298減。兵庫県、543,9721人、1554人減、世帯数8減滋賀県、140,9465人、17…

2299、耳我嶺考(終了)

2299、追加。三皇本紀。地皇…興於熊耳、龍門等山。全唐詩で検索すると、李白のが一つあるだけ。 送外甥鄭灌從軍三首六博爭雄好彩來,金盤一擲萬人開。丈夫賭命報天子,當斬胡頭衣錦回。 丈八蛇矛出隴西,彎弧拂箭白猨啼。破胡必用龍韜策,積甲應將熊耳齊。 …

2298、耳我嶺考(継続中)

2298、雨や雪の降る山道を辿るということで、中西氏、坂本氏など、漢籍の出典を指摘されたが、私は、そこまで考える必要がないと共に、「耳我嶺」に漢籍の面影があるのではないかと推測する。だいたいこんな地名(耳我の嶺と読む時)は吉野にありそうにない…

2297、耳我嶺考(継続中)

2297、381 筑紫娘子贈行旅歌一首思家登 情進莫 風候 好爲而伊麻世 荒其路家思ふと心進むな風まもり好くしていませ荒しその道 西宮全注巻三。、訳「…。大和への道は荒いですよ。」注、「「都に帰る道」をさし、…」。これも文脈指示だろうが、四句までに指示さ…

2296、耳我嶺考(継続中)

2296、西郷が、序詞の部分を、本旨の部分の文脈指示を受ける部分とも見なして、序詞と本旨の混じり合った歌と見なしたのを批判したが、「その山道」の「その」は果たして文脈指示とみなしてよいのだろうか(私はそうではないとした)。そこで、集中の「その…

2295、耳我嶺考(継続中)

2295、高木の紹介した説は、結局どこにもない。高木が紹介したのと同じ説を私注が言っている(2272参照)。「御製は、現に耳我の嶺を越えられつつの作で、御金嶽を遠望しての作と解すべきではない。」御金嶽、つまり通説の耳我嶺を遠望してどこかを歩いたの…

東京、大阪、京都、長野、奈良、和歌山の人口

2021年8月東京都、1404,3239人、5907人減。大阪府、881,8686人、2228人減、世帯数は277増加京都府、256,6641人、1398人減、世帯数338減。長野県、202,2099人、526人減、世帯数は227増加。奈良県、131,5007人、598人減。世帯数は113増。増えたのは、高田18、…

2294、耳我嶺考(継続中)

2294「その山道を」の「その」について。●註釋、拾穂抄、代匠記、考、略解、攷證、井上新考、講義、全釈、武田全註釈、佐佐木評釈、説明なし。●菊地精考、読者の判断に任せる(要するに説明できないと言うこと)●檜嬬手、美夫君志、折口口訳、次田新講、窪田…

2293、耳我嶺考(継続中)

2293、〔追記、「ただか」について、容貌という意味かと言ったが、「童蒙抄」の「みかね」の注で、「容貌有樣の事に聞ゆ」とあった。〕天武歌で、「耳我嶺に雨や雪がしょっちゅう降るように、しょっちゅう、どの曲がり角も落とさず、思いながらやってきた、…

2292、耳我嶺考(継続中)

2292、17、垣見修司、天武天皇御製歌と巻十三の類歌、萬葉語文研究第3集、和泉書院、2007.6.30これは直接坂本氏の論をうけたものである。坂本信幸氏「…」では、それらの歌群に見られる表現の考察を通して、いくつかの問題が解決し、天武天皇の心情を詠んだ歌…

2291、耳我嶺考(継続中)

2291、(前回の補足、曾倉説は、全注巻一三でも論じられているが、D(みかね)を最初とする説に後退が見られる。坂本説の「直香」の新しさを認めて、一番古いが、一部変形を受けたとする。また、これも坂本説を受けたのか、天武の個人詠も留保している)。16…

2290、耳我嶺考(継続中)

2290、9、耳我の嶺の山道――万葉集二五番歌の構造と背景――、都倉義孝、国文学研究 早稲田大学国文学会 通巻48 1972.10。論点をまとめて、(1)「来」は「来し」と訓むべきか。「来る」と訓むべきか。(2)「其山道」は回想の場面か、眼前の景か。すなわち、詠者…

2289、耳我嶺考(継続中)

2289、8、萬葉集の構造と成立 上 古代和歌史研究1、伊藤博、塙書房、1974.9.30(88.9.20.4p)、第六章 万葉集における歌謡的歌巻、第一節 宮廷歌謡の一様式――巻十三の論――、1960.3初出この論は題名で分かるように巻13の歌の性質を論じたもので、それを宮廷…

東京、長野、奈良、和歌山の人口

2021年7月東京都、1404,9146人、2418人減。長野県、202,2625人、814人減、世帯数は237増。奈良県、131,5605人、701人減。世帯数は85増。増えたのは、高田80、葛城8、平群5、川西4、曽爾4、王寺3、広陵18、上北山1、下北山6の9。和歌山県、91,5720人、662人…

2288、耳我嶺考(継続中)

2288、6、「初期万葉」、阪下圭八、平凡社、1978.5.17、天武天皇の吉野の歌このころになると著名な論文も増えて、阪下氏の引用されたものも多く、氏の文も長くて複雑だ。まず氏の引用されたものは、松田好夫(検討済み)沢瀉久孝(検討済み)・西郷信綱(万…