2034、
予想外に多かった。いわゆる地名語原説話というのが多く、同じ地名が、2~3回出るのがかなりあって記入に手間取る。それはともかく、山が多いのはいいとして、丘(岡、阜)の多いのが、万葉集常陸、出雲にくらべて非常に目立つ。播州平野の特徴だろうか(何度か通っただけだからよく知らない)。坂や谷も他に比べて多い。野がかなり多い。万葉集にも印南野があったがこれも播州平野の特徴だろうか。池が一つというのは現在の非常な多さからすると嘘のようだが、今の池は中世・近世の新田開発によるのだろう。播州出身の柳田国男ならどこかに書いているだろう。川は普通にあるが、浦が二つ、島が7つというのは少ない。特に万葉集であれほど多かった浦が少ない。島も出雲に比べるとはるかに少ない。瀬戸内海東部の播州沖は浦、島が少ないのだろう。風土記というのは案外現地の地理に忠実だ。「の」の表記は、池之原(いけのはら)だけ。非常に珍しい。「の」の読み添えは、岑、岡(少数混在)、池(1)、沼(1)、浦(2)は例が少ないが、他の文献同様「の」の読み添えあり。山、野、川は全用例「の」なし。岡、島(用例少ないが)もおおかたなし。「の」があるかないかは、だいたい他の文献と同じだ。連濁の起こりそうな川は混在だが、やはり区別は恣意的だ。