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一応切りあげた「真神の原」で、私が言ったのと同じことを言う人がいた。
客野宮治、蘇我氏の研究、文芸社、379頁、1700円、2015.4.15
110頁~111頁、小墾田地域(豊浦、奥山、岡、稲淵)に真神原はすっぽりと包まれる。法興寺を建てた地を真神原と呼んだ。真神とは仏のことらしい。旧名苫田を飛鳥寺建立後真神原と呼んだのではないか。その北方が桃原である。
この書はてにをはの間違いや、初歩的な地理のミスが目立ち、いかにも素人の書いたものという雰囲気が濃厚で、私の嫌いなタイプの本だ。だから真神の原についても私の考えを補強するようなものは何もないのだが、とにかく同じことを言っていたので紹介した。なお崇峻紀の記事も、ただその地を真神の原と呼んだ(そう言う名前だった)と解釈するのが普通で、寺を建立したからそう呼んだという解釈は文法的にはできないこともないが、有力ではないし、そういう用例もなかなか見つからない。