2108~2109、奈良県の人口訂正

2108、
藤井が原以外にも、~が原はある。人麻呂の199番歌に「和射見が原」がある。199番にはほかに、真神之原、百濟之原、門之原(これは普通名詞)もあり「我」「之」で区別されているから。これは「~の原」である。なぜ「和射見が原」を「和射見の原」と言わなかったのか。そこは「背ともの国の真木立つ不破山越え」た所であり、壬申の乱の戦場でもあった。不破山を越えて和射見が原に出るのでは順路が違うというので問題になる。近江は東山道といっても畿内のすぐ隣で大津京があったほどには開けていたが、それをさらに不破山越えた美濃までいくともはや畿内とは無縁の地なので、そういう遠隔感を出すために、不破山の向こうの和射見が原といったのだろう。しして「が」を使ったのも、やはり東国の荒々しさを出すためだったのだろう。もともとの地名か人麻呂の造語かは分からないが、東国らしさを出す効果はあろう。
2109、
真神の原というのも、藤井が原以上に謎である。現在地との比定が困難な上に、語原も、当時の普通の~原とは違うところがある。
真神原《マガミノハラ》 又真髪原に作る、飛鳥法興寺の地にて、鳥形山《トリガタヤマ》の下なり。日本書紀雄略巻崇峻巻に見ゆ、漢才伎の住所なり。姓氏録云、大和諸蕃、真神宿禰、出自漢福徳王也。書紀通証云、倭名抄、兼名苑云、狼一名豺、和名於保加美、蓋大神也、昔明日香地有老狼、土民謂之大口神、故其地名大口真神原、見風土記
以上、吉田東伍「大日本地名辞書」。例によって狼と関連づけするが、「おほかみ」とはいっても「まかみ」とはいっていない。もともと別の意味だったのが、「真神」と表記したので、狼にこじつけたような話だ。それに法興寺一帯とすれば、鳥形山と甘橿の岡の間だから非常に狭い。語原が何であれ、あの程度の広さで、~原と言えるものかとも思う。また、人麻呂の199番では、そこに天武陵を作ったようにも読めるが、そんなところに天武陵はないから、此も謎である。

奈良県2020年4月1日現在
奈良市 35,3481 -99    0.00028(11)
大和高田市 6,1400 -209    0.00340(2)  
大和郡山市 8,4505 -64    0.00075(8)
天理市 6,4436 -146   0.00226581(3)
橿原市 12,1732 -117   0.00096(7)
桜井市 5,4763 -88     0.00160(5)
五條市 2,8145 -112 -1     0.00397(1)
御所市 2,4734 -3       0.000121(12)
生駒市 11,6624 -137     0.00117(6)
香芝市 7,8411 -28      0.000357(10)
葛城市 3,7025 -19      0.000513 (9)
宇陀市 2,8246 -64 -19 0.00226580(4)
【市部計】 105,3582 -1086
山添村 3263 -13
山辺郡計》 3263 -13
平群町 1,8206 -4
三郷町 2,3319 -16
斑鳩町 2,7279 -76 -14
安堵町 7284 -30 -18
生駒郡計》 7,6092 -126
川西町 8369 -18 -14
三宅町 6580 -9
田原本町 3,0982 -34
磯城郡計》 4,5931 -61
曽爾村 1375 -10 -1
御杖村 1508 -14 -7
《宇陀郡計》 2907 -24
高取町 6742 -9
明日香村 5298 -8 -5
高市郡計》 1,2040 -17
上牧町 2,1214 -35
王寺町 2,3710 -52
広陵町 3,3641 -20
河合町 1,7106 -24
北葛城郡計》 9,5671 -131
吉野町 6292 -33 -11
大淀町 1,6749 -52 -1
下市町 4888 -20
黒滝村 574 -11 -2
天川村 1173 -8 -3
野迫川村 354 -4 -2
十津川村 3072 -32 -5
下北山村 755 0
上北山村 423 2
川上村 1111 -2
東吉野村 1468 -4 -1
《吉野郡計》 3,6859 -164
【郡部計】 27,2739 -536
【県計】 132,6241 -1622 世帯数+1003  減少の所だけ記入
フアイルが変わりコロナのせいもあってか混乱。今月世帯数が出せなかった。合計の増加数は出せた。増えたのは上北山村だけ。珍しいこともある。五條(1←2)高田(2←4)天理(3←1)宇陀(4←5)桜井(5←8)生駒(6←10)橿原(7←9)郡山(8←6)葛城(9←12)香芝(10←11)奈良(11←7)御所(12←3)。御所の急上昇ぶりが凄まじい。昨日2か月分かと言ったがやはり1か月分。2月続けて1000人以上の減少は珍しい。奈良市の人口計算違いだったので訂正した。人口が大きく減っているのに世帯数が反比例するように大きく増えるのは謎だ。