1964、
「~の~」、つまり一語の固有名詞といいながら、結合度が緩く、うっかりすると3語に分解しそうな、和語的なものが圧倒的に多く、「~」、つまり確実な一語の固有名詞となりきった漢語的なものは非常に少ない。ただしまだ調べていない形のがあるが。そんな中で、音数の関係か両形を持つものがあるが、これまた、山、川、島という三つの地形にしかなく、池、沼、ね(みね),たけ、おか、原、野、坂、埼、浜、浦、かた、江、なだ、わだ、といった地形には「~の~」の形しかない。つまり島以外の海に関した地形には「~の~」しかない。特に、浦の47が際立つ。出さなかったが、「伊勢の海」のような「~の海」も「~の~」しかない。陸上のものでも、原などは12もありながら、「~の~」ばかりである。ただしこれらは、和歌に詠まれたからということも有り得る。また、藤原、橿原、松原などは短いせいか、「の」はつかない。だいたいの傾向と言うことで、結論を出すのは早い。
海に関係したので、ほぼすべて「の」がつくのは、地形が限定しにくく、陸上生活者には、特に細かく指示する地名は必要ないということもあろう。万葉集は、特に大和の貴族などの旅の歌が多く、穏やかに感情を込めて「~の~」というのが優雅でもあり、そういうしかなかったものであろう。


1964、
「~の~」、つまり一語の固有名詞といいながら、結合度が緩く、うっかりすると3語に分解しそうな、和語的なものが圧倒的に多く、「~」、つまり確実な一語の固有名詞となりきった漢語的なものは非常に少ない。ただしまだ調べていない形のがあるが。そんな中で、音数の関係か両形を持つものがあるが、これまた、山、川、島という三つの地形にしかなく、池、沼、ね(みね),たけ、おか、原、野、坂、埼、浜、浦、かた、江、なだ、わだ、といった地形には「~の~」の形しかない。つまり島以外の海に関した地形には「~の~」しかない。特に、浦の47が際立つ。出さなかったが、「伊勢の海」のような「~の海」も「~の~」しかない。陸上のものでも、原などは12もありながら、「~の~」ばかりである。ただしこれらは、和歌に詠まれたからということも有り得る。また、藤原、橿原、松原などは短いせいか、「の」はつかない。だいたいの傾向と言うことで、結論を出すのは早い。
海に関係したので、ほぼすべて「の」がつくのは、地形が限定しにくく、陸上生活者には、特に細かく指示する地名は必要ないということもあろう。万葉集は、特に大和の貴族などの旅の歌が多く、穏やかに感情を込めて「~の~」というのが優雅でもあり、そういうしかなかったものであろう。